Category Archives: PoICとGTDと[了]

理論としてのGTDとPoIC

GTDには、理論としての側面と、実装としての側面の2つがあります。この二つの側面がどのように違いがあるのかは、今までではあまり重視されてはいません。でも、理論と実装を別個にして考えることは、いろいろなシステムを捉えるのに良いことだと、私は思っています。

実装としてのGTD

GTDでまず思い出すのが、5つのステップと独特のリストです。これはGTDの実装に当たる部分です。でも、5つのステップも、もう少し上段に構えた考えがあって、これがGTDの理論となります。5つのステップは、この理論を実現化するために、ブレイクダウンされたものになります。

理論としてのGTD

GTDの理論なんて知らないよ、と言うかもしれません。理論は 『仕事を成し遂げる技術』で明示されています。p28では、以下のようにできるシステムが、仕事を管理するのに必要だと言っています。

  1. 頭にひっかかっていることを全て、信頼できるシステムに委託する
  2. 大事なことは何かを明確にし、行動が必要があれば何をすべきか決める
  3. 何をすべきか決めたことを思い出せるように、システム内を整理し、定期的に見直す

(翻訳の)原文はちょっと長かったので、まとめてあります。これが、GTDの原点であり、5つのステップが実現している事項です。

翻ってPoICは?

で、PoICは、このGTDの理論をちゃんと満たしてると思うんですよね。だから、そういう意味で、PoICは、理論としてのGTDを兼ね備えている、と言いたかったんです。

1.頭にひっかかっていることを全て、信頼できるシステムに委託する

PoICでは、気になったことを全てカードに書き写します。

2.大事なことは何かを明確にし、行動が必要があれば何をすべきか決める

PoICでは、行動が必要なものについては、GTDカードとして区別します。必要な行動はこのカードに書いて、何をするか決めています。

3.何をすべきか決めたことを思い出せるように、システム内を整理し、定期的に見直す

PoICでは、何をすべきか決めたことはGTDカードとして他のものと区別できるので、既に整理されています。定期的に見直すことは、GTDカードを見直すことで可能です。

PoICは、再生産にフォーカスを置かれたシステムで、無形のカードから有形を作り出すにしても、上記のサイクルが適用されています。また、その再生産の仕組みがステップとして確立されているのがいいなと思います。クリエイティブな内容では、どういうパターンで作り出せばいいのか確立させること自体が、なかなか骨の折れる作業だと思います。けれども、PoICはその手順の枠組みを示してくれているところが、とってもいいなと思いました。

GTDはどちらかというと、そういう無形から有形を作り出すような感情から縁遠いシステムに見られがちです。でも、もともとGTDにもそういう仕組みも一応あるんです。無形――ここでは、プロジェクトにすら上らずに完了してしまうような状況について指し示しているんですが、無形とは言わなくてもSomedayリストにあるものをProject化するための仕組みが、丁度再生産のサイクルと同等だと思っています。

例えば、私は将来自分の家を建てたいと思っています。実家が一度立て直したことがありますが、すみ始めるといろいろ文句が出てきます。でも、次建てるならば、そんなことはなくしたい。だから、Somedayリストに入っている今でも、関係するデータの収集には忘れずにしています。無冷暖房の家の話を聞けば、そんな家にしたいという自分の気持ちをReferencesデータとして収集し、雨になればベランダが狭いので次の家はベランダ広いもしくは雨でも干せる環境がほしいとReferencesデータとして収集し、素敵な風呂の道具があればそれをReferencesデータとして収集しています。GTDはSomedayリストとして表出された目的から、意識的に関係するものを集めます。PoICは、無意識的に集めたところから新たなものを生み出します。

PoICが理論としてのGTDで説明できたことで、私が説明しようとしてもうまく説明できなかったことが、説明できるようになったと思います。つまり、現状のタスク確認がフォーカスされるGTDですが、未来のSomedayにも効用のあるシステムだということがわかります。確かに、私がこのSomedayの使い方に気づいてから、積極的にいろんなものを収集するようになりました。

GTDをさらにPoICと近似な状態にさせるには、Referencesデータでなおかつ分類されていない状態のノードとして取り扱えるようなシステムであれば問題ないです。例えばそれは、EverNoteだったりするわけですが。

まとめ:GTDを更にその上に

今回の記事では、PoICが理論としてのGTDに当てはまることが証明できたことで、GTD自体の理論が、仕事管理のサイクルだけでなく、再生産のサイクルも含んでいることがわかったと思います。そして、これによって、GTDリストの中でもあまりその存在が見出されなかったReferencesリスト、Somedayリストの使い方を、導いてくれるいい機会だったと思います。

これで、すべきことを管理するサイクルと、再生産するサイクルの二つの目的を、理論としてのGTDは満たすものだと、判りました。しかし、私が知る限りではそれだけではありません。二つの目的だけでなく、その仕組みの適用範囲をもっと広げることができます。このことについては、別の機会でエントリしようと思います。

まずは、PoICに関係するエントリは、今回で終わりです。

PoICの再生産サイクルのGTDシステムでの取り扱い方

PoICの再生産のためのサイクルを、GTDのシステムで私がどのように取り扱っているかについては別のエントリで書きたいと思います。

via works4Life season IV » Blog Archive » データウェアハウスとしてのGTD

上記でもありましたとおり、PoICの再生産のサイクルをGTDシステムでの取り扱い方についてまとめます。

もともとは、以下のようにPoICのサイトでPoICを使ってGTDを再定義していることもあって、PoICもどうにかGTDで再定義することはできないものかと考えていました。

この5つの方法は、時間をパラメーターとした、一つの同じ方法とも言えます。使用する媒体をすべて統一して5×3 の情報カードを使えば、あとは時間というパラメーターの取り方一つで、KJ 法にも、GTD にも、マインドマップにもなります。ICPでカードを書いて、ドックに時系列でスタックしておけば、あとはどの方法にも利用できます。

via PoIC を通じて見えたこと – PoIC

PoIC+KJ法をGTDリストに出てくるとしたら?

で、今回は、PoIC+KJ法をGTDでは各項目がどのようなリストに相当するのかを当てはめてみました。

  1. 長期間収集を行う(全てのデータはReferencesリスト行き)
  2. タスクフォース用のProjectを生成(Project化)
  3. Referencesリストから関係するデータを収集する(Action)
  4. 収集したデータをグループ化+名付(Action)
  5. 空間配置(Action)
  6. コンパイル(Action)

終わり。

まとめると、PoICのデータ収集の部分は、GTDでいうところの収集ステップになります。データを収集した時点では、何もアクションを起こさないのでReferencesのデータ行きになります。で、ある程度情報量が揃うと、PoICのタスクフォースを起こします。これをGTDではプロジェクト化して行います。タスクフォース内の作業は、タスクフォースプロジェクトのアクションとして行います。

KJ法じゃなくても、1~3の部分についてはどの再生産サイクルでも同じになると思います。後は、内容によって、4~6の部分が異なってくるんじゃないかなーと思います。

GTDでのReferencesの取り扱いは、特に日本ではすっ飛ばされている感があるのですが、こういう風に使うものだと個人的には理解しています。そして、収集はユビキタス・キャプチャをして関係あるなしの項目を一切合財収集することで、PoICと同じサイクルをGTDですることができます。

PoICとGTDはどう違うのか?

多少の誤差はあるとは思うものの、PoICの再生産もGTDのシステムでも可能とわかると、ますますPoICとGTDが似たシステムのように見えてきます。とはいえ、PoICにしろGTDにしろ、データマイニングシステムといったようなものは、近似のシステムになるのでしょう。

近似のシステムになるのは、勿論それぞれのシステムの方向性が同じところを目指しているからであって、似ていることは反対に正解に近いことでもあります。となると、システムが似ているのは、結局は言語で言うところの方言みたいに相当するのかな、と個人的には思っています。詳細は実装に依存するため、どうしてもかち合わない部分が生じてくるという点、例えば日本では出世魚のように同じ魚に複数の名称があったりと、その言語独特の単語があるのに似ている感じがします。

で、PoICとGTDがどう違うのか? これは、以下に既に述べられていることです。

では、なぜこれまでこれらの方法の共通性が見えなかったのでしょうか。それは、この5つの方法の間で、1サイクルが終わるまでに掛かる時間が違うためです。ブレインストーミングや KJ 法では、2時間程度で一つのサイクルが終わります。マインドマップは30分から1時間程度。GTD は、最小単位を2分(2分タスク)として、全てのタスクを処理し終わるまで数日、長くて数ヶ月。PoIC ではさらに長く、数ヶ月から数年に及ぶことも考えられます。

via PoIC を通じて見えたこと・知的生産について – PoIC

上記の中では、単位サイクルあたりの、始まりから終わりまでの時間が異なるためだと説明されています。私もそれと似た感覚はあって、「works4Life season IV » Blog Archive » GTDはハチドリの時間、PoICはクジラの時間」というエントリがそれです。

なおかつ、PoICとして最適化された仕事のスタイルは、Pile of Index Cardsさんのように研究職系の長いスパンです。一方、GTDとして最適化される仕事のスタイルはPoICで最適化される仕事のスタイルとは全く異なります。それこそハチドリのように忙しなく動き、速やかに必要な情報を引き出せる必要があります。特にプロセスの状態について情報を引き出そうとするのがGTDです。これが、PoICとGTDの一番の違いです。

PoICは、GTDが必要になる環境程には頻繁にすべき項目も発生しないし、めまぐるしくステータスが変わることもないです。けれどもGTDはそうじゃない。このこまごました部分をトラッキングする必要があるのがGTDです。それを取り扱うために、データの最小単位がPoICより小さめ、つまり最小単位を2分としたアクションが最小単位となっています。

まとめ:要は状況によりけり

野ざらし亭さんの連載の第1回で、GTDを挫折したと書いてあったのですが、別に挫折したようには思えなかったのですね。なぜって、PoICは同じことをしているように見えたからです。で、挫折した理由は、やっぱりそれは仕事環境が異なるからだと思うわけです。

私も、めまぐるしく仕事のタイプが異なる環境で過ごしてきました。それぞれの時期によって、トラッキングが必要になる項目は徐々に異なります。そしてそれに耐用できうるツールや実装も徐々に変わります。野ざらし亭さ]
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データウェアハウスとしてのGTD

 

Re:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門:第3回 ハンドリング・バイ・PoIC~PoICの理解|gihyo.jp … 技術評論社

第3回がいつのまにかリリースされていました。この第3回では、PoICはどういったものかを再確認するための回で、野ざらし亭さんは、PoICはデータウェアハウスではないかと指摘していました。Pile of Index Cardsさんでもその指摘に賛成ですし、私も最近ではPoICをそのように認識しています。

といいますか、あんなにカード実装なPoICは無理じゃんよー!とか言ってたんですけど、GTD勉強会のデータの関係上、カードにも手を出しちゃいました。というのも、Pile of Index Cardsさんからコメントにて私のMoleskineのやっていることは、ほとんどPoICと同じだと言われたからです。だったら媒体を一部カードに拡張しても問題ないかなと思い、それでカードを導入し始めました。というより何よりタスクフォースなやり方が魅力的に見えたので、それが可能なように一部をカード化した次第です。

データウェアハウスって、GTDでもできるよね

第3回の連載でメインとなっているデータウェアハウスは、実は、GTDの一部でも実装可能です。GTDではあまりフォーカスされないReferencesリストというのがあります。このReferecnesデータを活用することで、PoICの一連のプロセスはGTDでも実行可能になります。

GTDもデータウェアハウスの一部を担うことができると解釈すると、随分PoICと似通ってきます。じゃあPoICとGTDってどう違うのさ、て思うわけで、すごく似通っている部分はあるのに実装がいまいち揃わなくて、それで野ざらし亭さんの連載を見て、二つの相違について考え直したところです。その甲斐あってか、PoICの理解も深まり、似て非なるPoICとGTDの違いも理解できるようになりました、と思いたい。最終的には、方言みたいなもんなのかなというイメージです。あくまでもイメージですが。

一方、David Allenは、WEB WORKER DAIRYGTDは単なるリストじゃないと話していて、次の本にその部分をしたためる予定のようです。単なるリストじゃないものの一つが、GTDでPoICの再生産の流れが可能であることじゃないかと、私は思ってます。

PoICの再生産のためのサイクルを、GTDのシステムで私がどのように取り扱っているかについては別のエントリで書きたいと思います。

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