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映画館のザマミロ枠? 「シェアハウスウィズヴァンパイア」映画レビュー

私は最近訝しく思っていることがある。映画館新宿ピカデリーには、残念枠というかザマミロ枠があるのではなかろうかと。というか最近そんな映画に新宿ピカデリーでよく会うからだ。今回見た「シェアハウスウィズヴァンパイア」もそんな映画だった。

 

ピンクのポップでキッチュなちらしに騙されて

上記の写真にもわかる通り、吸血鬼の華麗なる共同生活は、ピンクと黄色の配色で彩られ、非常にオシャレ感を醸し出された映画のように見受けられた。しかしそれは宣伝だけの話であって、棺桶を空けるとそこには宣伝のオシャレ感をブチ壊したB級演出を無駄に披露され、俺達ヴァンパイアもゾンビも大好きだぜ!むしろホントはそれがやりたかったんだぜ!的な映画だった。そもそもヴァンパイア達が住んでる家が汚い。

このピンクと黄色の配色の刷り込みは恐ろしい。5000歳から2カ月ぐらいまでのさまざまな世代のヴァンパイア達の面白おかしい共同生活ぐらいにしか前情報のなかった私は、この色合いから、まずい血液パックにあたって腹を壊したりとか、世代的な問題で冬は薪がいいなどの世代間ギャップの問題だとか、最近の女性はつつましやかさがない俺の人間の頃はよかった的愚痴、となりの家が昼にロックの練習をしていておちおち眠れやしないが苦情を言うに言えなかったり、そんな生活で知り合った彼女と淡いラヴ。ヴァンパイア達は人間との共同生活も模索していくのであった――そんな軽いノリで進んでいくのかと思っていた。

が、そんなもん一切ない。

人間との共同生活なんてもっての他、連れ込んじゃ吸血して死亡ばっかりしてたら数が多いとばれるんじゃないのかとか、大動脈を切ってしまい部屋は血の海どーすんのこれ状態だったりとか、8000歳の長老はもう齢長過ぎて話をするのも難しく、むしろうっかり吸血して仲間作っちゃうってそれってもしかしてボケ始まっちゃってんのとか、数年間洗っていない血のついたお皿が残されてあったりとか(というか数年もつぐらいの皿の量があるのか?!)とか、ヴァンパイアは飛ぶっていうけどその背中からつってる感ありありなヘボい演出など、清潔感からほど遠いヴァンパイアのあられもない生活がスクリーンには映し出される。

だいたい真ん中にうつっているハリーポッターに出てくるヴォルデモードのようなじい様(8000歳)がもっとでばってくるのかと期待していたのに、全くもってひどい扱いを受けていてまともなセリフすらない有様だ。顔作りたかっただけじゃねーか。

それでも昔好きだった彼女の残した銀のペンダントを後生大事にしていて思わずつけて体が焼かれても我慢したり、鏡に映らない自分たちでパックマン劇場をやってたりお茶目な面もあったりするヴァンパイア。

ちなみに、この映画の様相は、いつもはひっそり(?)暮らしている彼らの生活ぷりをドキュメンタリー的に撮影させてもらっているというていである。

さてこの映画、概ねおかしく、私的にはよく笑えたんだけど、トロント映画祭など各地で上映されてはバカ受けして“観客賞“を総なめしたハズのホラーコメディなんだけど、上映中の映画館は静まり返っていた。。。 これってどうなの?! 宣伝で騙しすぎて予想と結果が大ハズレだったとかそういうんじゃないの?! と、この先の評判に心配せざるをえない映画で、そして冒頭の疑惑に駆られるのである。

「お前らポップでキッチュな映画だと思ってただろ、けどそんなことねーんだよ、ザマーミロ!」枠

もしくは

「ポップでキッチュな映画で恋人と一緒に楽しめると思ったでしょ? でもザンネーン、B級のゲテグロ映画だよ☆」枠

私にはこの映画がそんな枠の映画にしか思えてならない! コメディ映画のはずなのに、全然みんな笑ってなかったんだもん!

 

映画の中の笑いにおける上品下品基準からみるザマミロ枠の位置づけ

思うに、映画の中で見る「笑い」には上品下品の基準において簡単な傾向があると思う。例えば、★の数が多ければ多いほど上品とみなすと、こんな感じにわけられるんではないかと思う。

★★★★ 太鼓判枠。誰が見ても安心の笑いを提供する映画。お笑いの中でもスタンダードなボケツッコミなどで構成される、万人が見て安心して面白いと思える作品枠でメジャーなコメディ映画は位置される。映画で言えば「超高速参勤交代」や「清州会議」など。

★★★☆ ギリ上品枠。下品な部分もあるけど絶妙なバランスで上品さもそこはかとなく感じる映画。ぎりぎりの感じで下品と見せつつも、映画のつくりがいいせいなのかそこまで下品には見えないむしろ上品に見えるかも?!的なインテリ不良的な映画の作りで配給会社にやさしい映画である。映画の例で言えば「変態仮面」「中学生丸山」「キックアス」など。妙な絶叫的ファンを生み出す映画が多いのも特徴である。

★★☆☆ ザマミロ枠もしくは残念枠。上品だと思っていたのに予想を裏切る残念系映画。配給会社がもっとも困るんではないだろうかと勝手に私予想している映画群。目指す笑いが微妙というか、ブラックすぎて売れないだろコレ的なわかる人にはわかるが分からない人には受け付けない映画。映画の例で言えば「100歳の華麗なる冒険」であり、「シェアハウスウィズヴァンパイア」もここに含まれる、と思われる。製作者の思惑と宣伝の思惑がどうも解離しがちで、その結果このような悲劇を生みだすのかもしれないがそこはそれ、楽しめるかどうかは見た人次第である。

★☆☆☆ 正直枠。下品を下品そのままにお笑いに突き抜けさせた映画。映画も宣伝もそういう映画です!と正直商売している映画とも言う。映画で言うなら「地獄でなぜ悪い」あれは宣伝の期待を裏切らなかった。ホントは上の残念系映画にはこっちのつもりで製作者が作ったつもりだったけど、宣伝の思惑でそうはならなかった作品もあるんじゃないだろうか。

 

最近になって、宣伝での見せ方には非常に気にしていて、思ったのと全然違うじゃねーか!というような映画がたまにあって、今回の「シェアハウスウィズヴァンパイア」もそこそこ期待と違うものであった。そんなんで、映画館のや配給会社の意図はどうあれ、そんなザマミロ枠にはまってしまう映画が一部あるので気をつけよう。ちなみに傾向的に見て、ポップカラーなチラシはアヤシイ。

コメディ映画だっつーのに笑いの声がほとんど聞こえないのが一番シュールな映画でした。私は好きなばかばかしい映画で、スチュは愛されすぎだろう。

 

↓そこそこダマしてないであろう予告編だが、どうも色合いと音楽で誤魔化されてる感は否めない。

https://www.youtube.com/watch?v=b8pLwYXj5ew